インプラント周囲炎
インプラント周囲炎
(インプラントの歯周病)
インプラント周囲炎について
知っていただきたいこと
インプラント周囲炎とは簡単に言いますと「インプラントの歯周炎」のことです。
その前の段階として「インプラント周囲粘膜炎」というものがありますが、これは「インプラントの歯肉炎」のことです。つまり、インプラントにも「歯周炎」と「歯肉炎」があるのです。(参考:歯周病は歯周炎と歯肉炎に分かれています。)
最も重要なのはインプラント周囲炎においても歯周炎と同様に「自覚症状がない」ということです。歯周病と同様に「沈黙の病」と言われています。
もし、歯茎が一回でも腫れたことがあればインプラント周囲炎に間違いありません。
歯茎から血が出た場合は確実にインプラント周囲粘膜炎です。
インプラント周囲炎は自然に治癒するということはありませんので専門家による治療をしないとインプラントが抜けてしまうことになります。
それでは、どのくらいの頻度でインプラント周囲炎が起きているのでしょうか。
最も信頼できる論文はFranssonらが2005年に発表したデータです。このデータは被験者数が662人と多く5年間の追跡をしたものです。
その結果は「インプラント周囲炎が起きる確立は28%」というものでした。
つまり、5年間で4分の1以上のインプラントがインプラント周囲炎に罹っているのです。
また、インプラント周囲炎が関連しているリスクについても御説明いたします。そのリスクには順位があり以下に示します。
- 1. 口腔衛生不良
- 2. 歯周病の既往
- 3. 喫煙
- 4. 糖尿病
- 5. アルコールの摂取
- 6. 遺伝的性質
といったものです。つまり、
- 1. インプラントのクリーニングを定期的に受けていない方
- 2. 歯周病になったことのある方
は罹患率が高く、特に注意が必要であるということです。
治療についての御説明
治療はCISTつまり累積的防御療法が世界的基準となっておりますので、この基準に従って治療していきます。
具体的な治療法はSchwarzの分類を行い「切除療法」か「再生療法」かを選択いたします。
他にも、Renvertの分類やFroumの分類も参考にすることにより、より高い成功率が期待できますが基本的には「implantoplasty」といってインプラント表面に着いている細菌とインプラント表面を削り取ってしまう方法を用いてより確実な治療にしています。
基本的には歯周病の治療と同じ方法をとりますので、決して特殊な治療法ではありません。
しかし、歯周病のスペシャリストとして長期にわたり歯周病を治療してきたため出来ることですので、まだまだどこでもインプラント周囲炎をきちんと治療できるわけではありません。
SPIインプラントのインストラクター、アドバイザリーメンバーとして年2回、インプラント周囲炎の講演をしており、全国から多くのドクターが勉強に来ております。
教える立場にありますので常に世界における論文のチェックをしており情報をキャッチしております。
どんな種類のインプラントでもインプラントのアフターケアのことは、安心しておまかせください。
インプラント周囲炎のリスク・副作用
・インプラント周囲炎が進行するとインプラントを支える顎の骨が溶ける可能性がある
・他の健康な歯にも歯周病の影響を及ぼすことがある
・インプラントが抜けてしまうリスクが高まる
インプラント周囲炎の費用
- インプラント周囲炎
- 80,000円(税別)